「サウナ内では、お静かにお願いいたします」
そんな注意書きを、サウナではよく見かけます。
サウナ好きの間では、サウナ内での会話など、うるさくなるような行為をしてはならないのがマナーであることは常識です。
しかし、中には、大声でおしゃべりをしたり、周りを気にせず大きな声でうなったり、あまりにも大きな息づかいをしたりする人がいます。
サウナ好きである執筆者も、せっかく楽しみにしながらサウナに来たのに、おしゃべりをする人のせいで嫌な気分になって帰ったことがあります。
この記事では、サウナでうるさい人に困ったときのために、対処法や予防策、なぜ会話禁止マナーが存在するのかを解説します。
- サウナでうるさい人は、耳栓や呼吸法などによって簡単に対処できる
- サウナでうるさい人には、おしゃべりしやすい客層という特徴がある
- サウナで会話が禁止されているのは、感染防止や整い(ととのい)のため
- サウナでうるさい人に会わないために、混雑する時間を避けたり適切なサウナを選んだりする予防策がある
- サウナでうるさい人がいても、注意したり我慢しすぎたりするのは危険
- 1.サウナでうるさい人がいた場合にすべきこと
- 2.サウナでうるさい人の特徴
- 3.サウナでの会話禁止マナーが存在する理由
- 4.サウナでうるさい人に会わないための予防策
- 5.サウナでうるさい人がいたときにやってはいけないこと
1.サウナでうるさい人がいた場合にすべきこと
せっかくサウナに来たのに、運が悪いと、おしゃべりをしたり息遣いが荒すぎたりしてうるさい人がいます。
「我慢して帰ろうかな...」
「一言文句をいってやる!」
そんな考えが浮かんだとき、行動に移してしまう前にできることがあります。
- 防水の耳栓で遮音する
- 自分の呼吸を意識して集中する
- うるさい人がサウナルームにいないタイミングを見はからう
1-(1)防水の耳栓を使用する
サウナでうるさい人がいるときに限らず、音が気になる場合、一番確実なのは防水の耳栓を使うことです。
よくあるスポンジ状の耳栓をサウナで使ってしまうと、耳栓が汗や湿気を吸ってしまい、正しい効果を得られないことがあります。
例えば、ソフトシリコン製の耳栓であれば、防水なので水洗いも可能で清潔なうえ、やわらかいので耳にフィットして使いやすいです。
Amazonなどで簡単に手に入りますので、調べてみることをおすすめします。
1-(2)自分の呼吸に集中する
サウナルームでおしゃべりする人が近くにいるとき、腹式呼吸をしながら、自分の呼吸に集中することで、周囲が気にならなくなります。
腹式呼吸とは、息を吸うときお腹が膨らみ、息を吐くときお腹がへこむというサイクルを繰り返す呼吸法です。
この手法は、瞑想をするうえでも取り入れられており、自分が呼吸していることを意識し、頭の中を呼吸のことだけ考える状態にするというものです。
うるさい人のおしゃべりに意識が向かないよう、別のものに集中することで、自分だけの世界に入りこみます。
1-(3)うるさい人とサウナに入らないよう時間をずらす
うるさい人と一緒にならないよう、タイミングを見はからってサウナルームに入ることも解決策の一つです。
うるさい人も、ずっとサウナルームに入っているわけではありませんし、しばらくすれば帰ってしまうので、その後にゆっくり入ればいいのです。
ただし、せっかくサウナに来たのに、うるさい人がいたせいで自分のリズムが崩されてしまうのは、ストレスになります。
余計なストレスは「整う」ための大敵(詳しくは サウナでの会話禁止マナーが存在する理由の項目で紹介)ですので、我慢しすぎないようにしましょう。
2.サウナでうるさい人の特徴
サウナでうるさい人、特におしゃべりをしてしまう人には特徴があります。
もちろん、この特徴に当てはまる人すべてがうるさいとは限りません。
しかし、ここで説明する人たちがサウナをよく利用する場所や時間帯を把握しておくことで、対策を考えることができます。
- 大学生などの若者は複数人でサウナにきておしゃべりする
- 常連客たちは顔見知りになりおしゃべりしやすい
- おばさんは旦那の愚痴や子供の悩みについておしゃべりしてしまう
2-(1)若者たちが大人数で一緒にサウナへ来る
サウナでうるさくなりやすいのが、複数人でサウナにやってきた若者たちです。
今、サウナは若者の間でとても人気があります。
例えば、友達同士で、どこかへ遊びに行った帰りに銭湯へ寄ってサウナに入るということは、よくあることです。
仲のいい友達同士で楽しくなってしまって、他の利用者がいることを忘れておしゃべりしてしまうことが多いです。
2-(2)顔を合わせると世間話が始まってしまう常連客たち
常連客がいるサウナでは、常連客同士が顔見知りになり、世間話をはじめてしまうことがよくあります。
「裸の付き合い」という言葉もあるように、知らない人でもサウナで何度か顔を合わせると、会話のハードルが下がってしまうのです。
自分がよく使うサウナなので、慣れ親しんだ場所で緊張感もなく、ついつい大きな声でおしゃべりしてしまいやすいことも原因の一つです。
2-(3)おばさんたちが旦那の愚痴や子供の話で盛り上がってしまう
いわゆる「おばさん」がサウナでうるさいことが多いとの声も少なくありません。
おばさんと呼ばれる年代の女性は、普段から、旦那に対するストレスや自分の子供に関しての悩みをたくさん抱えています。
はるか昔、男性が狩りに出ている間、女性は女性同士協力して子育てをしていたように、女性には古来より悩みを共有する高いコミュニケーション能力が備わっていることが多いです。
おばさんと呼ばれる人たちは、女性同士が集まるサウナで、おしゃべりによって愚痴や悩みを共有するのです。
3.サウナでの会話禁止マナーが存在する理由
サウナに限らず、うるさい人が迷惑だという感覚は多くの人が持っています。
ただ、うるさくない程度のおしゃべりであったとしても、サウナのマナーとして会話そのものが禁止されていることが多いです。
近年は感染症対策を理由とすることが多いですが、実は、サウナの効能を最大限生かし「整う」ためには、会話をしないほうがいいのです。
「整う(ととのう)」とは、簡単にいえばサウナ・水風呂・外気浴を経たことにより心地いい状態になることをいいます。
「サウナでは話さない方がいいですか?」
「会話禁止とされるサウナが多いのはなぜ?」
といった疑問に答えるため、ここでは科学的な視点を交えて、会話禁止の理由を説明します。
- 心拍数の上がり方が不均一になり、整いの質が落ちる
- リラックスした状態が作れない
- 自律神経の状態が不安定になり、整いにくい
- 会話する際の飛沫によって感染症がうつる可能性がある
3-(1)心拍数の上がり方が不均一になる
会話をしたり、他の人の会話に気を取られたりすることで、緊張や興奮、ストレスなどから、サウナの効果による変動とは無関係に心拍数が変動することがあります。
サウナに入ると、規則的に心拍数がどんどん上がっていきますが、心臓が速く動きすぎると、身体に負荷がかかります。
そのため、サウナを安全に、効果的に使うためには、心拍数をはかりながら利用するのがいいとされています。
心拍数の上下はサウナの効果を正しく得るための指標になるのです。
しかし、会話により心拍数が不均一に上下することで、サウナの効果による心拍数の上下が把握しづらくなります。
結果として身体に負担をかけすぎたり、効果が不十分な状態でサウナルームを出てしまったりするのです。
3-(2)リラックスできない
会話をしたり、他の人の会話に気を取られたりして起こる緊張や興奮、ストレスは、心身ともにリラックスするうえで邪魔になります。
仮に、何も気にせずおしゃべりしてうるさい人がリラックスできたとしても、周りの人は当然、イライラしたり不愉快な気分になったりしてリラックスどころではありません。
整い(ととのい)には、自然体でリラックスしている状態が不可欠です。
せっかくリラックスして疲れを癒そうとサウナに来た人たちにとって、とても迷惑になります。
3-(3)自律神経の状態が不安定になる
会話をしたり、他の人の会話に気を取られたりして起こる緊張や興奮、ストレスは、整い(ととのい)の核心である自律神経を乱します。
自律神経は、興奮・緊張したときに活性化する「交感神経」と、リラックスしたときに活性化する「副交感神経」に分かれ、相反する働きをしています。
サウナに入ると、身体は次のような動きをします。
- 副交感神経が優位な状態になり、すぐに暑さで交感神経が優位になる。
- サウナを出ると元に戻るが、冷たい水風呂に入ることで再び交感神経が優位になり、身体はアドレナリンというホルモンを出し興奮状態になる。
- そこから外気浴をすると、身体が危機的状況を抜け出したと安心して、一気に副交感神経が優位になる。
- アドレナリンが身体に残っている状態で究極のリラックス状態に入る。
(「加藤容祟著 「医者が教える究極にととのうサウナ大全」 2023年 ダイヤモンド社」を参考にしています。)
これが整い(ととのい)の正体です。
会話によって興奮やストレスを感じると、自律神経が不安定になり、整う(ととのう)ための正しい動きをしないのです。
3-(4)感染症対策としての飛沫防止
コロナウイルスやインフルエンザなど、感染症拡大防止のためにも会話は控えるべきとされています。
コロナウイルスの感染拡大後、多くのサウナでは「会話禁止」の張り紙をするようになりました。
実際、サウナは利用者同士が近い距離にいることが多く、会話による飛沫感染が発生しやすい環境にあります。
無症状であったとしても、菌を持っている可能性があるというのは、もはや周知の事実です。
周りの人の命をおびやかす可能性もあるので、やはり会話は控えるべきです。
4.サウナでうるさい人に会わないための予防策
サウナでうるさい人に出会ってしまって対処をしたとしても、あまりいい気分にはなりません。
気分よく最大限サウナを楽しむためには、うるさい人に出会ってしまわないよう予防して行動することが一番いいのです。
ここでは、簡単にできる予防策をいくつか解説します。
- サウナが混雑する時間帯を避けて利用する
- インターネットの情報をもとに評判のいいサウナを選ぶ
- 「プライベートサウナ」を利用する
4-(1)混雑する時間をずらす
サウナが混雑する時間帯を避けて利用することで、うるさい人と出会ってしまう確率を下げることができます。
上で見た サウナでうるさい人の特徴をもとに、うるさい人が多い避けるべき混雑時間をみてみます。
- 平日...18時~20時
仕事終わりにサウナへ来る人が多い時間帯です。
特に、住宅街にあるサウナ付きの公衆浴場(普通の銭湯)では、毎日お風呂へ入りに来るついでにサウナを利用する常連客が集まりやすい時間帯です。 - 金曜・土曜・祝前日...22時以降
次の日が休みの場合、深夜に来る利用者が多くなります。
特に、石鹸などの持ち物が不要なスーパー銭湯などでは、複数人で遊びに行った帰りの大学生など、若者が集まりやすい時間帯です。
4-(2)インターネットの口コミを参考にサウナを選ぶ
インターネットの口コミを参考に、サウナの評判など事前情報を仕入れておくのも有効な手段です。
Google mapでサウナや銭湯を検索すると、口コミを見ることができますし、サイトによっては時間帯ごとの混雑度も確認することができます。
初めて行くサウナは特に下調べをしてから利用することをおすすめします。
雰囲気のいいところを見つけられれば、そこを自分のホームサウナにすることで、うるさい人に悩まされることもありません。
4-(3)プライベートサウナを検討してみる
最近、都市部で流行しているのが、完全個室で貸切りの「プライベートサウナ」という形態のサウナです。
水風呂や外気浴用設備を完備したところも多く、他人を気にせず最高の環境でサウナを楽しむことができます。
時間帯ごとの事前予約が必要で、料金が高いところが多いですが、時間とお金に余裕がある人は利用してみる価値があります。
5.サウナでうるさい人がいたときにやってはいけないこと
サウナでうるさい人がいたとき、対処法を間違えると、危険な目にあったり自分も迷惑な人になったりしてしまいます。
ここでは、サウナに行ったとき、うるさい人を含むマナー違反をしてしまう人がいた際に、よくやってしまいがちなNG行動をいくつか説明します。
- うるさい人に注意をしたり文句を言ったりしてしまう
- うるさい人がいなくなるまでサウナ内で我慢し続ける
- 自分も一緒になっておしゃべりしてしまう
5-(1)うるさい人に直接注意をする(文句をいう)こと
「サウナのおしゃべりは注意すべき?」
と迷う人は多いはずですが、例えうるさい人がいたとしても、直接文句を言うことはもちろん、注意をすることもおすすめできません。
正義感の強い人や本気でサウナが好きな人ほどやってしまいがちですが、揉め事に発展したり、報復されたりしてしまう可能性があります。
場合によっては、注意をした側の人まで悪いと思われて、お気に入りのサウナの利用を制限されることもありえます。
マナー違反は止めるべき良くない行動ではありますが、直接何かして衝突することは避けましょう。
5-(2)うるさい人がいなくなるまで過剰に我慢すること
サウナルーム内で、うるさい人がいなくなるまで過剰に我慢することは、サウナを楽しめないばかりか、身体にとって危険です。
そもそも、よくある「サウナは我慢をするもの」という考え方は間違っています。
上でも説明したように、サウナの効能を最大限味わう「整い」は、適切な心拍数や自律神経の変動によって到達することができます。
うるさい人との我慢くらべをしても、なにもいいことはありません。
5-(3)一緒になっておしゃべりしてしまうこと
マナー違反をしている人がいるからといって、「自分もいいだろう」と一緒になっておしゃべりをしてはいけません。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というような集団心理をあらわすフレーズがあります。
ルールを破る人が近くにいると、自分もルールを破ることに抵抗が無くなってしまいがちです。
しかし、マナー違反をすることで迷惑がかかる人は必ずいます。
流されずにマナーを守ってサウナを楽しめる人は、サウナ好きの鑑(かがみ)ともいえる素敵な人です。